90年間の歩み

東京都美術館は日本で初めての公立美術館として、
1926年5月1日に開館しました。

時代は、大正が終わり、昭和が始まった年。

いつでも美術にふれられる場がほしい──。
長年の悲願は、たったひとりの実業家の篤志によって実現しました。

九州の石炭商・佐藤慶太郎が建設資金として100万円を東京府に寄付しました。

石炭商として決して大手ではない佐藤。アメリカの実業家カーネギーに倣い、
全財産の半分を社会のために使ったのです。

1926年の誕生から、今年で90周年。

「芸術家の晴れ舞台」として、
「世界と日本の名品に出会える美術館」として、
かけがえのない出会いの場を提供してきました。

これまでに開催した展覧会数 12,793・これまでに入館された総観覧者数 130,554,678人

*2016年3月末日現在のデータです。「東京都美術館 年報 2015」を元に算出。

そして始まりは、いつも都美からでした。

日本初の公立美術館、
「芸術の秋」誕生の由来、
美術館で初めての公開制美術図書室の開室、
ワークショップ形式の美術館プログラムの開催…。

これからも「アートへの入口」として、
東京都美術館はさまざまな活動を展開してまいります。

年表

*展覧会は入場者数300,000人以上を掲載(「東京都美術館 年報 2015」より)

大正10(1921)年 3月

北九州の実業家・佐藤慶太郎氏から100万円の寄付

佐藤慶太郎氏の写真

大正15(1926)年 5月

東京府美術館開館(設計は岡田信一郎。開館記念日5月1日)

東京府美術館開館の写真

昭和13(1938)

年間観覧者数が初めて100万人を突破。1,252,187人が来館

昭和18(1943)

都制施行により東京都美術館と名称変更

東京府美術館開館の写真
東京府美術館(竣工:1926年/設計:岡田信一郎)

昭和40~42(1965~67)

建物老朽度調査を実施

昭和43(1968)

美術館建設準備委員会を設置

昭和47(1972)

新館建設工事着工(設計:前川國男建築設計事務所)

昭和50(1975)年 3月

工事完了

東京都美術館
東京都美術館(竣工:1975年/設計:前川國男)

昭和50(1975)年 9月

新館開館。貸館中心だった運営を、自主企画展の開催、美術文化事業、
美術図書室の運営等の重視に転換。作品収集にも力を注ぐ

新館開館時(中央背景に見えるのが旧館)
中央背後に見えるのが旧館

昭和52(1977)年 3月

旧館取り壊し工事及び旧館跡地造園工事完了

昭和52(1977)

年間観覧者数が初めて200万人を突破。2,425,392人が来館

「ピカソ展」に379,770人(1日あたり8,631人)が観覧

平成6(1994)年 4月

全収蔵作品及び美術図書資料を東京都現代美術館に移管。以降、報道機関との協力による共催展と、美術団体等による公募展を活動の柱とする

平成7(1995)年 3月

東京都現代美術館開館

平成7(1995)

「モデルニテ=パリ・近代の誕生 オルセー美術館展」に640,537人
(1日あたり10,008人)が観覧

「モデルニテ=パリ・近代の誕生 オルセー美術館展」ポスター

平成8(1996)年 4月

東京都教育委員会から(財)東京都教育文化財団(後に東京都生涯学習文化財団へ名称変更)へ管理運営が委託

平成9(1997)

年間観覧者数が初めて300万人を突破。3,455,547人が来館

「18世紀フランス絵画のきらめき ルーヴル美術館展」に528,620人(1日あたり7,048人)が観覧

「英国絵画の殿堂 テート・ギャラリー展」に410,616人(1日あたり7,204人)が観覧

「18世紀フランス絵画のきらめき ルーヴル美術館展」「英国絵画の殿堂 テート・ギャラリー展」ポスター

平成10(1998)年 9月

ミュージアムショップがオープン

平成11(1999)

「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」に412,794人(1日あたり5,578人)が観覧

「大英博物館 古代エジプト展」に443,474人(1日あたり8,869人)が観覧

「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」「大英博物館 古代エジプト展」ポスター

平成12(2000)

「世界四大文明 インダス文明展」に428,263人(1日あたり4,118人)が観覧

「唐招提寺金堂平成大修理記念 国宝 鑑真和上展」に413,491人(1日あたり8,270人)が観覧

「世界四大文明 インダス文明展」「唐招提寺金堂平成大修理記念 国宝 鑑真和上展」ポスター

平成13(2001)

「アール・ヌーヴォー展」に317,730人(1日あたり4,605人)が観覧

平成14(2002)年 4月

(財)東京都生涯学習文化財団から(財)東京都歴史文化財団へ管理運営委託先を変更

平成14(2002)

「マルク・シャガール展―ポンピドーセンター&シャガール家秘蔵作品」に355,219人(1日あたり5,148人)が観覧

「華麗なる宮廷 ヴェルサイユ展―太陽王ルイ14世からマリー・アントワネットまで―」に419,261人(1日あたり7,486人)が観覧

「華麗なる宮廷 ヴェルサイユ展―太陽王ルイ14世からマリー・アントワネットまで―」ポスター

平成15(2003)

「創立250周年記念 大英博物館の至宝展」に513,208人(1日あたり10,264人)が観覧

「創立250周年記念 大英博物館の至宝展」ポスター

平成16(2004)

「フェルメール『画家のアトリエ』 栄光のオランダ・フランドル絵画展」に303,491人(1日あたり4,275人)が観覧

平成17(2005)

「プーシキン美術館展~シチューキン・モロゾフ・コレクション」に378,013人(1日あたり7,560人)が観覧

平成18(2006)年 4月

(財)東京都歴史文化財団が指定管理者として3 年間管理運営を受託

平成18(2006)年 5月

開館80周年記念祭を実施

平成18(2006)

「プラド美術館展 ~スペインの誇り、巨匠たちの殿堂~」に501,932人(1日あたり5,769人)が観覧

「いま甦る巨匠たち400年の記憶 大エルミタージュ美術館展」に308,016人(1日あたり5,311人)が観覧

「オルセー美術館展~19世紀 芸術家たちの楽園~」に479,254人(1日あたり7,730人)が観覧

プラド美術館展 ~スペインの誇り、巨匠たちの殿堂~」「オルセー美術館展~19世紀 芸術家たちの楽園~」ポスター

平成19(2007)

「フィラデルフィア美術館展 印象派と20世紀の美術」に318,273人
(1日あたり4,822人)が観覧

「ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美」に349,524人(1日あたり5,461人)が観覧

平成20(2008)

「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」に934,222人(1日あたり7,917人)が観覧

「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」ポスター

平成21(2009)年 4月

(財)東京都歴史文化財団が指定管理者として8年間管理運営を受託

平成21(2009)

「トリノ・エジプト展 イタリアが愛した美の遺産」に355,176人
(1日あたり6,231人)が観覧

平成22(2010)年 4月

(財)東京都歴史文化財団が公益財団法人へ移行

施設設備の老朽化のため大規模改修工事(設計:前川國男建築設計事務所)を実施。約2年間休館

平成22(2010)年 5月

リニューアル準備室を旧坂本小学校内(台東区下谷)に開設

平成23(2011)年7月

東京都現代美術館から彫刻作品12点、書作品36点を再移管

平成23(2011)年11月

ロゴ・シンボルマークを制定(デザイン:吉岡徳仁)

ロゴ・シンボルマーク

平成24(2012)年 3月

博物館法による博物館相当施設に指定

平成24(2012)年 4月

リニューアルオープン(企画棟を除く)。ユニバーサルデザインを採り入れ、展示室の環境改善を行い、レストランやショップを充実。新たな管理運営方針のもと、多様な自主企画の展覧会やアート・コミュニケーション等の事業を展開

平成24(2012)年 6月

全館リニューアルオープン

約2年間の改修工事を経て、2012年4月にリニューアルオープン(2012年5月撮影)
約2年間の改修工事を経て、2012年4月にリニューアルオープン(2012年5月撮影)

平成24(2012)

「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」に758,266人(1日あたり10,679人)が観覧

「メトロポリタン美術館展 大地、海、空─4000年の美への旅」に328,770人(1日あたり4,215人)が観覧

「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」ポスター

平成27(2015)

「大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史」に300,436人(1日あたり4,846人)が観覧

「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」に763,512人(1日あたり10,046人)が観覧

「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」ポスター

*展覧会は入場者数300,000人以上を掲載(「東京都美術館 年報 2015」より)